タイムカードの労働時間の計算方法:出勤・退勤・休憩から給与時間を出す
労働時間は、退勤時刻から出勤時刻を引き、そこから無給の休憩時間を差し引いた分数を60で割れば求まります。深夜0時をまたぐ夜勤だけは、この引き算がそのままでは成立しないため、別の一手間が要ります。
計算式
同じ日のうちに終わる勤務なら、式はこうなります。
労働時間 = (終了時刻 − 開始時刻を分単位で − 無給休憩の分) ÷ 60
9時に出勤して17時30分に退勤し、30分の無給休憩を取った場合で試してみます。分単位の差は510分、そこから休憩30分を引いて480分、60で割ると8.00時間です。
問題は夜勤です。22時に出勤して翌6時に退勤するような、終了時刻の数字が開始時刻より小さくなる勤務では、そのまま引き算するとマイナスになってしまいます。この場合は終了時刻に24時間、分にして1440分を足してから引き算します。要するに、退勤時刻を「翌日のもの」として扱うということです。
分から小数の時間への変換表
給与計算では時間を小数で表すのが普通ですが、分の数字をそのまま小数点以下に置いてしまう間違いがよく起きます。対応関係を表にしておきます。
| 分 | 小数の時間 |
|---|---|
| 6分 | 0.10 |
| 15分 | 0.25 |
| 30分 | 0.50 |
| 36分 | 0.60 |
| 45分 | 0.75 |
| 54分 | 0.90 |
7時間30分は小数では7.5であって、7.30ではありません。30分は0.5時間であり、0.30時間ではないからです。手計算でいちばん起きやすい間違いは、たいていここに原因があります。
具体例:夜勤を含む1週間
実際の勤務表で流れを追ってみます。水曜だけ夜勤で、深夜0時をまたいでいます。
| 曜日 | 出勤 | 退勤 | 休憩 | 労働時間 |
|---|---|---|---|---|
| 月 | 09:00 | 17:30 | 30分 | 8.00 |
| 火 | 09:00 | 17:30 | 30分 | 8.00 |
| 水(夜勤) | 22:00 | 06:00 | なし | 8.00 |
| 木 | 09:00 | 17:15 | 30分 | 7.75 |
| 金 | 09:00 | 16:45 | 30分 | 7.25 |
| 週合計 | 39.00 |
月曜と火曜はどちらも510分の勤務から休憩30分を引いて480分、8.00時間です。木曜は9時から17時15分までの495分から休憩30分を引いて465分、7.75時間。金曜は9時から16時45分までの465分から休憩30分を引いて435分、7.25時間になります。
水曜の夜勤はこうです。22時から翌6時までの勤務で、休憩はありません。「6時 − 22時」とそのまま引くとマイナス16時間という意味のない数字が出ます。ここで24時間、分にして1440分を足すと、実質的な終了時刻は翌日の30時、分に直すと1800分です。開始時刻の22時は1320分ですから、1800分から1320分を引いて480分、60で割って8.00時間になります。マイナスが出た瞬間に「日をまたいでいる」サインだと気づけば、それ以上迷うことはありません。
週の合計は8.00 + 8.00 + 8.00 + 7.75 + 7.25で39.00時間です。時給1,300円なら、週給は39 × 1,300で50,700円になります。
給与計算のための丸め処理
多くの勤怠管理システムでは、打刻の数分単位のばらつきを吸収するために、15分単位への丸め処理を使っています。これは特定の国の法律ではなく、実務でよく使われる慣行として紹介します。
| 時を過ぎた分 | 丸め先 |
|---|---|
| 00分〜07分 | 00分 |
| 08分〜22分 | 15分 |
| 23分〜37分 | 30分 |
| 38分〜52分 | 45分 |
| 53分〜59分 | 次の時の00分 |
9時08分の打刻は9時15分として扱い、9時07分なら9時00分に切り下げます。大切なのは、このルールを給与計算期間中のすべての日に同じ基準で当てはめることです。ある日は切り上げ、別の日は切り捨てというように基準がぶれると、数分のずれが月を通して積み重なり、最終的な給与額に無視できない差を生みます。
自分の勤務時間で計算してみる
出勤時刻と退勤時刻、休憩時間を入力すると、夜勤の判定も含めて自動で計算されます。
よくある間違いと特殊なケース
夜勤の計算を逆にしてしまう。 深夜0時をまたぐ勤務では終了時刻に24時間を足しますが、逆に開始時刻から24時間を引いてしまうミスがよく見られます。出てきた数字が1日で20時間を超えるなど明らかにおかしければ、計算の向きを疑ってください。
分と小数の時間を混同する。 先ほど触れた通り、7時間30分は7.5時間であって7.30時間ではありません。給与ソフトに手入力する際にこの変換を間違えると、時給計算全体がずれます。
休憩の有給・無給の扱いが一貫していない。 15分の小休憩は有給、30分以上の休憩は無給という社内ルールがあっても、日によって記録の仕方が違えば集計は合いません。どの休憩を労働時間から差し引くのか、あらかじめ決めておく必要があります。
丸め処理が週や給与計算期間を通じて一貫していない。 ルール自体は単純でも、適用のタイミングが日によってぶれると、小さな誤差が給与計算期間の終わりには無視できない金額に育っています。
よくある質問
給与計算のために分を小数の時間に変換するにはどうすればいいですか。 分を60で割ります。30分なら30÷60で0.5、45分なら45÷60で0.75です。逆に、分の数字をそのまま小数点以下に置く(30分を0.30時間とする)のはよくある間違いなので注意してください。
深夜0時をまたぐ夜勤はどう計算しますか。 退勤時刻の数字が出勤時刻より小さくなる場合は、退勤時刻に24時間、分にして1440分を足してから引き算します。22時出勤、翌6時退勤なら6時を30時として扱い、22時との差を取ると8時間と求まります。
休憩は小数に変換する前と後、どちらで差し引くべきですか。 分の単位のまま差し引いてから60で割るのが確実です。510分の勤務から30分の休憩を引いて480分、それを60で割って8.00時間、という順序です。先に小数へ変換してから休憩分を引いても数学的には同じ結果になりますが、分の単位で処理したほうが夜勤のような複雑なケースでも間違いが起きにくくなります。
この計算には残業代が含まれますか。 含まれません。ここで紹介した計算は基本労働時間に時給を掛けた金額を出すだけのものです。残業手当や深夜手当、休日手当などの割増賃金は国や雇用契約によって計算方法が異なるため、基本労働時間の集計とは別に適用してください。